DVD:「スナッチ」
（ガイ・リッチー監督／ブラッド・ピット）
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●近所の二番館で「スナッチ」（ガイ・リッチー監督／ブラッド・ピット）。ガイ・リッチー監督の２作目。前作「ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ」と同様、冴えまくっている。ひねりの利いたプロット、凝った脚本、可笑しな登場人物たち。ユーモアとウィットに満ちていて、しかもカッコいい。100点満点で100点、必見。ただし一つだけ問題がある。これは事実上、「ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ」のリメイクなのだ。
●「スナッチ」は86カラットの大粒ダイヤをめぐる悪党どもの物語である。裏ボクシングの賭け屋、悪徳宝石商人、殺し屋など、主要登場人物だけで十数人。それぞれの思惑が微妙にすれ違いながら、ラストのダイヤの行き先に向かって収斂していくというアンサンブル・コメディ。要するに銃がダイヤにかわっただけで「ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ」と同じ趣向である。その鮮やかさも変わらない。役者も一部共通する。
●端役に終わってしまったデル・トロも悪くないが、やはりブラッド・ピットを見なければ。このブラッド・ピットの役、一般的にはなんと呼ぶか。辺鄙な場所に集団で住んでいて、グループで結束している、一ヶ所に定住しない、壊れたクルマなどを売りつけるインチキな商売をして、家族愛が強く、ときどきワケのわからない言葉を話す……。つまり、これは「ジプシー」なのだ。ところが、最近はNHKなどで「ジプシー」という言葉は差別的であるとして使用禁止になっている。そのせいで自主規制が行き届いたのか、字幕にもジプシーとは一切出てこない。ほかのサイトを見ても流浪民とかパイキー(アイルランド系ジプシーのことをこう呼ぶらしい。だったらそれも差別用語じゃないのかね)とか書いてあるところが多い。でも、セリフでは「ジプシー」ってはっきり言ってます（笑）。やれやれ。
●「ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ」はイギリス映画だったので、興行的な理由から全米向けにリメイクする必要があったのだろう。見はじめてすぐにリメイクと気づいたが、それでも大いに楽しんだ。次作がガイ・リッチーの試金石となるか。(2001/09/01) |
ガイ・リッチーの第1.5作。「スナッチ」