サッカーの神様ペレが書いた（笑）ミステリー。 |
ワールドカップ殺人事件
（ペレ／創元推理文庫）
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●「サッカーの神様」ペレが書いた「ワールドカップ殺人事件」（創元推理文庫）、読了。ミステリーなのだ。舞台はアメリカ・ワールドカップ。アメリカ代表に有力選手を送っているブルックリン・ブーターズのオーナーが何者かに殺される。被害者の頭部にはスパイクシューズの跡がはっきりと……（爆笑）。犯人は誰なのかという、フーダニットもの。
●とまあ、結構トンデモ本テイストなのだ。あんまり駄作を駄作というのも気が引けるが、事実駄作（苦笑）。主人公とヒロインがともに愚か者なのがダメ。しかも単純なプロットなのに読み辛い。でもサッカー・ファン向けのサービスはある。ミステリーとしてのオチの部分がそう。つうか、サッカー知らない人には分かりにくいかも。しかもそのオチすら弱い。せめて、ワールドカップの描写がおもしろければすべて許せたのに、この小説の中では世界最大のスポーツの祭典がまるで全米大学サッカー大会くらいの規模に感じられてしまう。
●ペレもこれ読んでて「つまんねー」と思っただろうなあ。ペレを全肯定し崇拝する方々、ご安心ください。この小説を実際に書いたのはハーバート・レズニコウって人なのだ。日本語のクレジットにも解説にもそんなことは一言も書いてないが、欧文のクレジットを読めばコピーライト表示がペレ＆レズニコウって風になっている。まあ、ペレに一回くらいは取材してるとは思うが、タイプライターを叩いたのはレズニコウって人。
●ちなみに、レズニコウってのは誰か。この訳書ではまったく無視されちゃってるわけだから、無名のゴーストライターかと思ったがそうじゃないらしい。ワタシゃ知らなかったが、ネットで調べてみると本格派ミステリー作家として知られているようで、訳書が何冊か刊行されている。レズニコウ・ファンって方もいるくらいだ。もしかするとそういうミステリー・ファンの方にも、このペレの「ワールドカップ殺人事件」がレズニコウの手になるものだってことは知られていないのかも。レズニコウ訳書一覧を作るときはこの本を落とさないようにお気をつけください＞ファンの方。(2000/08/02) |
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