DVD：「誘拐犯」
（クリストファー・マックァリー監督）
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●「ユージュアル・サスペクツ」でアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞した脚本家、クリストファー・マックァリーが自身の台本ではじめて監督に挑戦したという一作。しかし第２の「ユージュアル・サスペクツ」を期待してはいけない。
●二人のアウトロー（ベニチオ・デル・トロとライアン・フィリップ）が成り行き任せに富豪夫妻の代理母を誘拐、しかし裏社会に通じた富豪が送り出す刺客に狙われる。果たして二人は身代金を手にすることができるのか……。というとサスペンス調であるが原題はWay of the gun。終盤は駆け引きも騙しあいもうっちゃり、ひたすら撃ちまくる血まみれの銃撃戦になっちゃうという不思議な作品なのだ。
●監督／脚本のマックァリーは言う。「今日の映画に対して、いつも頭が痛くなるのは、歪んだ正義感、間違った弁明責任だ。ハリウッド映画の描き方にイライラするのは、誰かが悪い行為をすると、その罪が10倍以上になって返ってくることだ。それは現実に反しているだけではない。それは当然の報いだと、誰もが口を揃えて人に話している」。いやまあ、それはそうだろうし、謝罪なき悪人に対して共感させるという点では成功もしているだろう。でもそういうテーマなのか、これは。凝った脚本が空回りして物語ほどには動きの感じられない映画になってしまっているのはこれでいいのか。登場人物がこんなに説明口調で台詞を放っちゃっていいのかなあ。そもそもこの2人の主役、これでタダのチンピラっていわれてもねえ。
●とはいえ、実は満足。期待もしていなかった気前のいい銃撃戦を楽しめた。それにベニチオ・デル・トロの目のくまをたっぷり堪能できた。意に反して役者の魅力がすべてを凌駕してしまったという一作なんじゃないだろうか。(2001/09/16) |
おもしろかったけど、キツく突っ込まれそうな映画ではあるよな。「誘拐犯」。