DVD：「トゥルーマン・ショー」
VHS：「トゥルーマン・ショー」
（ピーター・ウィアー監督／ジム・キャリー主演）
|
●ビデオで映画「トゥルーマン・ショー」を観る。ピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演。前から観たいと思っていたのだが、映画館で観るにはリスク大と読んでビデオ待ちしてたのだ。まずアイディアがいい。30歳になる主人公トゥルーマン、仕事は保険屋、シーヘヴンなる町に一軒家を持ち、妻もいる。が、トゥルーマンの人生とはすべて見せかけ、実は誕生以来ずーーっと隠しカメラが彼の生活をとらえ、それが超人気TV番組として年中無休24時間世界中に放映されているのだ。妻だろうが母親だろうが親友だろうが通行人だろうが、トゥルーマン以外の人物はすべて役者、シーヘヴンの町はハリウッドに作られた巨大なセット。作り物の人生を送っていることを知らないのはトゥルーマン本人ただ一人。TVドラマってのは、役者が虚構を演技し、視聴者もそれを知った上で観るものだが、人気番組「トゥルーマン・ショー」は違う。トゥルーマン本人は本物の人生を生きているつもりであり、演技なし。
●で、そういう映画だと知りゃおもしろそうだなと思うわけだが、問題はこの話をどう展開して、どんなオチに持っていくか。いかにも難しい。ネタバレ（ってほどのネタでもないが）を書くわけにはいかないが、映画である以上トゥルーマンが自分の世界に疑念を抱かなきゃ話にならないのは明白。でもその後が苦しいではないか。心配した通りストーリー展開の弱い映画になってしまっていて、少し落胆。
●でもコミカル＆アイロニカルなところはなかなかスパイシー。トゥルーマンの周囲の人間がいつも同じココアやらビールやらをカメラに映るように持ってくるところには爆笑（すなわち生CM）。TVのバカバカしさや、TV視聴者の困ったちゃんな気質は鋭く描かれていて大吉。
●管理された安全地帯と何が起こるか分からない自由さとの選択肢の間で人はどう生きるのか、というテーマを含んでしまうととたんに陳腐化しちゃう。ラストに視聴者が発した一言こそ、この映画のハイライトでなきゃ。(1999/08/02) |
テレビばっかり観てるとバカになっちゃいますよっ！ 「トゥルーマン・ショー」。