DVD：「シンプル・プラン」
（サム・ライミ 監督）
文庫：「シンプル・プラン」
（スコット・スミス／扶桑社ミステリー）
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●「シンプル・プラン」を観る。スコット・スミス原作のベストセラーを映画化したもの。「ある日、突然400万ドルの大金を見つけたら」という古典的なテーマを扱いながらも、キャラクターの描き方が秀逸。特に原作でも個人的に共感度の高かった、主人公のダメ兄ジェイコブがいい。映画でもＢ・Ｂ・ソーントンが好演。彼のダメさ加減は、無職だとか孤独だとかダメ友達以外に相手にされないとかそういうことではなく、大金を手にしたときに何をしたいかと問われて、自分で切り盛りできるはずもないにもかかわらず「死んだ親父が手放した農場を買い取りたい」と答えてしまうところにある。お金があっても少年時代に回帰できるわけではない。そんなことがわからない、この救いがたさ、切なさ。
●真の犯人と言うべきサラ（Ｂ・フォンダ）の恐さ加減もいい。雪のモチーフも悪くない（カラスの暗喩はややダサい）。ただそれでも映画としては意外と満足度高くなかったりするんだが……。結末は原作（扶桑社ミステリー文庫）とはちょっと異なる。原作のほうの終盤には、サラが使った100ドル札を取り返すために「信心深い」店主がいるドラッグストアだったかなんだったかに入るシーンがあったんだけど、あれは圧巻だったなあ。(2000/03/01) |
「シンプル・プラン」または「ダメ男たち」。