side_b 観て、聴いて、読む。

HOME / リンクはご自由に

こんなにおもしろくていいのか。「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」



「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」

(周防正行著/文春文庫)
●いやあ、なんておもしろいんだ、この本は。映画監督周防正行のもとに『Shall we ダンス?』を北米で公開しないかという話が舞い込む。そこから起きる、アメリカ流の契約ビジネスに戸惑ったり、映画会社からのフィルムカットの要請と戦ったり、プロモーションのために超ハードスケジュールで全米を駆け巡らされたりといった事柄を描いた「Shall we ダンス?」北米公開までの顛末記。そうかぁ、ミラマックスってアメリカじゃこんな映画会社とみなされているのかとか、アメリカの映画会社の宣伝手法ってこんなことをやるのかあとか、監督にインタヴューする媒体の人々っていろんなタイプの人がいるんだなあ、この辺は日本でも同じにちがいないよなとか、興味深い点を挙げればキリがない。
●が、実はワタシは映画「Shall we ダンス?」を観ていない。それどころか周防正行作品の一作も知らない。でも、この本は抜群におもしろかった。「Shall we ダンス?」はきっとよくできたいい映画にちがいない。いつか観るかもしれないし、観たらきっとおもしろいと思うだろうけど、今すぐぜひ観たいとは思わない。本当はそういうもんじゃないだろうが、この本だけで充足してしまった(笑)。ま、本は本で楽しめばいいんだよな。(2001/10/06)

>> CLASSICA >> Side_B HOME