DVD：「フォーン・ブース」
（ジョエル・シューマカー監督）
ていうか、訳題は「電話ボックス」でいいだろよ。
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●主演コリン・ファレルの色男ぶりを楽しみたいというなら止めはしない。が、そうでなければ、脱力を覚悟しておいたほうがいい。もう、オープニングの作りからして、それなりに「携帯電話依存社会」をおちょくってやろうくらいの意図はあるんだろうなと思い込んでいたら、ちょっと違う。「ウソばっかついてると閻魔大王がやってきて怖い目にあわせるよ」という話である。フジテレビの「世にも不思議な物語」一話分のアイディアを映画一本に仕立てたらこんな感じになるんじゃないか。
●で、酷い目にあわされる主人公ってのいうのが、自称パブリシスト、要はプロモーターというかPRマンというか、軽薄で不誠実、口先だけでギョーカイを泳いでいる大物ぶりたがりの小物という、チンピラみたいな男である。そんなヤツがケイタイ片手にニューヨークで偉そうな顔して歩いているんだったら、いっちょ虐めてやってもいいか、みたいな悪意ありありで、これって日本で携帯電話が普及し始めた頃にオヤジどもが若者に投げかけていた視線だよな（笑）。わかった、オッサン、そんなにケイタイ片手に歩いてる青二才が嫌いか。
●そういや日本でも最近「パブリシスト」って呼称、見かけるようになってきたよねえ。なんすか、プロモーターじゃあダメなのかね。なんてワタシも思うので、この辛辣な視線に共感ゼロとは言わない。事実、仕事でこういう人物にうんざりさせられた経験はいくらもある。でもさ、リアリズムの文法で描くのであれば、せめてオチくらい用意しようよ、商業映画なんだから。(2003/11/28)
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「フォーン・ブース」。ニューヨークじゃ着メロも携帯メールも普及していなのかっ！