「図書館警察」
（スティーヴン・キング／文春文庫）
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●文庫落ちしたスティーヴン・キング「図書館警察」（文春文庫）を読む。４つの中篇（というかほとんど長篇）からなるFour Past Midnightの後半（前半は「ランゴリアーズ」）。これは「ランゴリアーズ」よりもずっとオススメ。コドモの頃に図書館に通った経験のある人なら、表題作「図書館警察」のタイトルにはピンと来るのでは。そう、図書館の本は期日までに返却しなきゃいかんのだ。もしも、この期限に間に合わなかったら……。堂々たるホラーなのだ。アメリカの公立図書館は日本とはちょっと感じが違うのかもしれないけど、少年時代に図書館が好きだった、でも図書館世界の大人たちの厳格な雰囲気に居心地の悪さも感じてたって人なら、十分共感して読めると思う。
●併録の「サン・ドッグ」、これは異世界を写すポラロイド・カメラの物語。舞台はキング作品おなじみのキャッスル・ロック。実際、同じ街を舞台にした後の名作「ニードフル・シングス」と同じテーマを扱っており、ラスト・シーンも本質的にはそれとなんの違いもない。縮小版「ニードフル・シングス」とでもいうべきか。準備運動とか練習作品とは言わないけど、ともかく感動の質までそっくり。(1999/08/14) |
昔、図書館に居心地の悪さを覚えた人に。スティーヴン・キング「図書館警察」。