「空っぽのスタジアムからの挑戦 − 日本サッカーをメジャーにした男たち」
（平塚晶人著／小学館）
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●Ｊリーグ好きな人は一度読んでおいたほうがいいっす→「空っぽのスタジアムからの挑戦 − 日本サッカーをメジャーにした男たち」（平塚晶人著／小学館）。これ、帯に「サッカープロ化に命を賭けた男たちのドラマ」ってあるように、要するに「プロジェクトＸ」のノリで語ったＪリーグ前史で、主人公はその仕掛け人である木之本興三。Ｊリーグっていうと川淵初代チェアマンって思われるかもしれないけど、川淵氏はＪリーグ構想のなかではかなり終盤になって請われて登場した人物であって、主役じゃないんすね。
●たぶんこの本はジミすぎであまり売れなかった。で、本の作りとしても弱点がいくつかある（一言でいっちゃうと平板）。加えて「プロジェクトＸ」ノリってのは危険な香りギュンギュンするんだけど、にもかかわらずおもしろいのだ。
●むかーし、カマモトが日本サッカーリーグ（Ｊリーグの全身）のポスターでオール・ヌードになったことがあったでしょ、お尻をさらしてるヤツ。あの時点で、夢物語としてではあるけどプロ化はスタートしてたんだな。日本サッカーリーグはまだ実業団対抗の企業スポーツで、観客が数百人とかでスタジアムに閑古鳥が鳴いてた頃。サッカー界を盛り上げるために、他の人気スポーツの話を聞こうとして、関係者がラグビーやバレーボール協会を訪問したっていうんだから、隔世の感、大アリ。実際、サッカーをプロ化するってニュースが一般に流れてたときも、「バレーボールですらプロ化は難しいだろうに、サッカーなんて論外」ってのが一般的な反応だったんでは。そんな時代からＪリーグの興隆に向けての話なんだから、おもしろくないはずがない。まさに現代のおとぎ話（でもノリは「プロジェクトＸ」……トホホ）。(2002/02/19)
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ノリはヤバいが、題材は最高。「空っぽのスタジアムからの挑戦 − 日本サッカーをメジャーにした男たち」