傑作「シカゴ」。ミュージカル食わず嫌いのために。 |
DVD：「シカゴ」
（ロブ・マーシャル監督）
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●ワタシはオペラは大好きだが、ミュージカルは苦手である。もっと正確に言うと、オペラはこれまでに古今の名作を繰り返し観たり聴いたりしているが、ミュージカル体験はほとんどない、つまり食わず嫌いなんである。しかし、この映画版の「シカゴ」を観てぶっ飛んだっすね。いやあ、圧倒的に素晴らしい。映画としてデキがいいっていうだけじゃない。ミュージカル的な部分、音楽がいい。
●これを観て思い出したのだが、しばらく前にWOWOWで三谷幸喜のミュージカル「オケピ！」を放送していた。ワタシはこれ、観るに耐えなかった。苦痛なんである。で、よく考えたら、これは三谷幸喜にはなんの責任もなくて、音楽が平凡というか平板すぎるからで（失礼）、そもそもミュージカルの作者として脚本家の名前がドーンと出ているところからして引っかかってしまうんである。門外漢の戯言かもしれないが、どっちかといえばミュージカルは作曲家のものなんじゃないの？ いくら脚本がよくても、曲に退屈したら見てられない。でも曲と演奏もよかったら、言葉がわからなくても退屈しないじゃん？（でなきゃ、オペラなんて誰も聴かない）
●で、ネガティヴな先入観を持ちながら観た「シカゴ」では、音楽に圧倒されたんである。これはその後何十年も残るような名曲を書こうとして書かれた名曲であって、ワタシらはプッチーニやバーンスタインを聴くのと同じように安心して聴くことができる。時によって容易に風化したりしない、名曲の強度が確かにある。古典ってことなんすね。認識を根底から改めました。 (2003/08/07)
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