アイザック・アシモフ
「ゴールド −黄金−」
（嶋田洋一他訳・ハヤカワ文庫SF）
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●疲れてるせいか、うっかりアイザック・アシモフの「ゴールド −黄金−」を読んでしまった（嶋田洋一他訳・ハヤカワ文庫SF）。文庫化新刊。妙な構成で第1部はアシモフの晩年の短編集、第2部はアシモフスSF誌に書かれたエッセイというか巻頭言みたいなものの寄せ集め、第3部は「SF小説作法」……。第1部だけでも一冊になるくらいの量があるのだが、読んでみて納得、この短編集の部分はまさかと思うほどつまらない（スマソ）。逆に第2部と第3部はとてもおもしろい。アシモフ特有の饒舌さでもって、延々とおなじみの「自慢話」が続くのだが、これは最強である。老人の昔話と自慢話、それもやりすぎなくらいやる、同じことを何度も書く。アシモフのような人がやれば抜群に楽しい（フツーの人がやれば極刑）。爺さんになっても青春時代のSF黄金期のことはよく覚えてて、何度も二十歳そこそこで書いたような「夜来たる」とか自分の代表作について言及してくれたり、OEDに自分の発明した言葉が掲載されていることにはしゃいでいたりして、実によい。後半を大いに楽しんだ後で第1部を読むと、ちょっとしんみり（泣）。(2001/02/28) |
アシモフの「ゴールド」。老人の自慢話に耳を傾けよう。